アウトプットが重要。~学びを結果に変えるコツ~
- 2018.09.29
- 読書

学びを結果にするためにはアウトプットが重要
「勉強しているのになかなか結果が出ない。」、「本を沢山読んでいるけど、仕事に生かされていない」と悩んだ事はありませんか?
そんな風に考えた事がある方はもしかすると「アウトプット」不足になっているのかもしれません。
ここでは、学びを結果に変えるためのコツ。アウトプットについて書いていきたいと思います。
アウトプットの基本法則
「インプット」と「アウトプット」
まず、そもそも「インプット」と「アウトプット」とはなんなのか?
インプットとは、脳の中に情報を入れること。アウトプットとは、脳の中に入ってきた情報を外界に出力することです。
具体的には、「読む」、「聞く」がインプットで、「話す」、「書く」、「行動する」がアウトプットです。インプットで「脳内世界」は変化しますが「現実」は変化しません。アウトプットして初めて世界が変化します。
つまり、本を沢山読む、セミナーを受講するといった事だけでは現実は変わりません。
アウトプットすると記憶に残りやすい。
アウトプットを行うと記憶が定着しやすいです。一方、インプットだけの記憶は覚えにくく忘れやすいです。これに関しては、「九九を声に出して覚える」、「漢字を書いて覚える」といった経験から実感したことがあるかと思います。
アウトプットが記憶に残りやすい理由は、アウトプットは運動神経と筋肉を使った記憶=「運動性記憶」だからです。運動性記憶は小脳を経て、海馬を経由し、大脳連合野に蓄積されます。このように多くの神経細胞が働くことで記憶に残りやすくなっています。
本を読んでもその内容が頭に残ってなければ意味はありませんよね?記憶に残るから成長し、結果がでるようになります。
つまり、アウトプットが学びを結果に変えるコツなのです。
アウトプットの結果を見直し、次にいかす
「アウトプットしているけど結果が出ない。」という方は、アウトプットの結果を分析していない(フィードバックしていない)からかもしれません。
アウトプットによって得られた結果を評価し、その結果を考慮して次のインプットに修正を加えるといった作業がフィードバックです。見直し、反省、改善、方向修正、微調整、原因究明。これらがフィードバックです。
たとえば、料理を作るときに塩加減を間違えておいしくないものが出来上がったとしたら、「もしかしたら、塩が足りなかったのかな?次はもう少し多く塩を入れよう」といった具合です。こういったフィードバックがないままにずっと同じ料理をしていたら永遠においしいものは出来上がりませんよね。
うまくいった時も、失敗した時もその「理由」を考えることが大切です。
「話す」、「書く」、「行動する」コツ
アウトプットが学びを結果に変えるコツであること、アウトプットの結果からフィードバックを得ることが大事であることが分かりました。
ここからは具体的にどのようにアウトプットしたらよいのか?「話す」、「書く」、「行動する」ためコツを書いていきたいと思います。
話すコツ
事実に感想や意見をプラスする
「アウトプット」が苦手という人はまず「話す」ことから始めましょう。読んだこと、聞いたこと、体験したことを第三者に話すだけで脳は活性化し、記憶の増強、定着に大きく貢献します。
話をするときは「事実」に「自分の意見」や「気づき」を盛り込むことで「あなたらしい」話となり「価値」出ます。
例えば、ただ「昨日、お祭りに行ってきた」と「事実」だけを書くのではなく、「昨日、お祭りに行ってきた」+「焼きそばがおいしかった。」+「来年はたこ焼きよりも焼きそばを買った方がいいと思う」といった具合です。
SNSに投稿する時などにも使えると思いますので、参考にしていただければと思います。
話す内容に自信がなくても、とりあえず笑顔で、堂々と発言する
「思っていることを上手に話せません」、「何を話せばいいのかわかりません」というコミュニケーションが苦手と思われる方は多いと思います。
コミュニケーションは「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」の2つに分類できます。「非言語的コミュニケーション」とは外見、表情、視線、姿勢、動作、ゼスチャー、服装、身だしなみなどの視覚的情報や声の調子・強弱・声質といった聴覚的情報を指します。実はコミュニケーションで大事なのは「非言語的コミュニケーション」であると言われています。
心理学で「メラビアンの法則」という「矛盾したメッセージが発せられたとき、人はどれを信用するか」といった実験があります。その結果は、視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%といったものでした。つまり、「非言語情報」がコミュニケーションにおいて重要であると示されています。
今よりも、少しだけ非言語的コミュニケーションを意識するだけで、あなたのコミュニケーション能力は大幅にアップするでしょう。
堂々とした態度に裏付けをプラスする
堂々した態度に「裏付け」をプラスすると説得力のある話ができます。
裏付けには「権威をつかう」と「数値を使う」と2つの方法があります。
例えば、「ハーバード大学の研究によると~」や「厚生労働省が発表した~」と有名大学や公的機関の名前を出し、「大多数に効果があった」→「90.5%の人に効果があった」と具体的な数値を出して説明をすると説得力がupします。数値は「90%」と表すよりも「90.5%」と細かいところまで示す方がより説得力が増します。
書くコツ
タイピングよりも手書きをする
プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同研究によると、講義を「手書きでノートをとる学生」と「ノートパソコンでノートをとる学生」で比較したところ、手書きの学生の方がより良い成績をあげ、より長い時間記憶が定着し、新しいアイデアを思いつきやすい傾向にあることが明らかになっています。
また、スタヴァンゲル大学とマルセイユ大学の共同研究では、手書き中のみブローカ野という言語処理にかかわる脳の部位が活性化していることが明らかになっています。
タイピングは何かと便利ですが、効率よく学ぶためにはノートは手書きの方が良いでしょう。
早く文章を書くためには、文章構成と締め切りを決める
文章を早く書くためのコツは「時間を決めて書く」と「構成を決めてから書く」の2つがあります。
「時間をかけて文章を書けば、良い文章が書ける」と思われる人がほとんどですが、それは間違いです。たとえば、1時間かけて書いたものと2時間かけて書いたもののクオリティには2倍の差はありません。締め切りを決めて一気に書き上げることで文章を「書くスピード」と「クオリティ」の両方がアップします。
また、文章を「考えながら書く」よりも「構成を決めてから書く」方が早く文章が書けます。「序論→本論→結論」、「起承転結」、「結論→根拠・理由→まとめ」、「イントロダクション→コンテンツ1、2、3→まとめ」といった構成を決めてから書くだけで立派な文章が出来上がります。
行動するコツ
5分だけ頑張って「やる気」スイッチをオンにする
今から100年前、精神科医のクレペリンは「作業を始めてみると、だんだん気分が盛り上がってきてやる気が出てくる」ことを「作業興奮」と呼びました。最近の脳科学ではこのメカニズムが判明しています。
脳の「側坐核」という部位にある神経細胞が活動すると、海場と前頭前野に信号を送り、「やる気」が出ます。しかし、側坐核の神経細胞は「ある程度の強さ」の刺激がこないと活動を始めません。その必要時間は5分と言われています。
いきなり難題に挑むのではなく、簡単な作業を5分程度行うと「やる気」が出て難題にも取り掛かりやすくなるでしょう。
30点の出来でもいいからとりあえず完成させて、ブラッシュアップする
「せっかく仕事をするのだから少しでも良いモノを届けたい」と思うのは当然かもしれません。しかし、この考えがあなたの作業を遅らせる要因になっています。
最初から100点のモノを目指したために時間切れで「直し」の時間が確保できなくなり、結果「50点」のものしか届けられなくなってしまう。
こういった事態を避けるためには「直し」の時間を確保することが大切です。まずは出来が悪くてもいいから完成させましょう。
最初に思いついたほうを選ぶ
「今日のランチをどれにしようか?」そう迷ってなかなかメニューを選べない方も多いと思います。ランチならば普段の生活に大きな影響はないかもしれませんが、「決断」をしないことには現実は変化しません。
「ファーストチェス理論」という事実を知っていると、これから早く決断を行えるようになるでしょう。
これは、プロのチェスプレイヤーが「5秒」で決断した手と、「30分」かけて決断した手の86%が一致しているという事実です。つまり、最初に思いついた判断はかなりの確率で正しいということです。
ただし、これはプロのチェスプレイヤーであるということに注意が必要です。自分の専門領域ならばこの理論を応用して早く決断して良いと思いますが、初心者の判断は正しいとは限らないでしょう。
まとめ
本稿をまとめると
- アウトプットが学びを結果に変えるコツ
- アウトプットの結果からフィードバックすることが大切
- 「話す」、「書く」、「行動する」にはそれぞれコツがある!
以上です。
では、今回はここまで。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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