【読書】スタンフォード式最高の睡眠

【読書】スタンフォード式最高の睡眠

今年最高の本に出会えた

こちらの本です。

最高の睡眠

何が最高だって??まぁコチラの結果をご覧ください。

これが本を読む前。

これがこの本を読んだ日。

お気づきでしょうか?

そう、快眠度がありえないくらい上がったのです。

僕は以前からSleep Cycleというアプリを使って自ら睡眠実験をあの手この手と繰り返しては、「なぜだ?なぜ上手に眠れない??」、「朝の体が重い」といった失敗をしてきました。

ところが、今回の本を読んで、ちょいとノウハウを使っただけでこの結果です。

翌朝、

「何年ぶりだろう?体が軽い」

と一人感動したのでした。

というわけで、この本の内容をまとめておきたいと思います。


【要約】
この本は一言でいうと

科学的根拠に基づいた、最高の睡眠をとる方法を教えてくれる本

です。

著者の西野精治先生は日本人ですが、

スタンフォード大学医学部の教授であり、
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の所長です。

世界の睡眠医学をけん引している方です。すごい。

本書が日本語での初著書とのことです。

このようなお方が、冒頭で以下のように綴ってくれています。

「ただひとつ約束しておきたいのは、根拠なき話は書かないということ」

うーむ、言い切っちゃうところが、かっこいいぜ…

ハウツーだけでなく、多くのデータを示しながら睡眠について説明をしてくれるのが本書の特徴だと思います。

全ての内容を紹介することはできませんが、学びを次の3つにまとめておきます。

①眠りに関する新事実と睡眠の役割
何が最高の睡眠に必要なのか?
③具体的にはどうしたらよいのか?

では

①眠りに関する新事実と睡眠の役割について

まず、眠りに関する新事実として「睡眠負債」について書きます。

睡眠の研究者は睡眠が足りていない状態を睡眠不足ではなく、「睡眠負債」という言葉を使って表現します。借金同様、睡眠も不足がたまって返済が滞ると、首が回らなくなり、しまいには脳も体も思うようにならない「眠りの自己破産」を引き起こすからです。

睡眠負債があると、日中の行動に大きなマイナス影響があります。一見、普通に起きている人でも、実はすべての機能が正常に働いていない可能性が非常に高いのです。

睡眠負債については次の実験がアメリカの学会誌「Sleep」に発表されています。

内科などの夜勤がある科と、放射線科や内分泌科などの夜勤がない科の医師20名を対象に、翌日の覚醒状況を比較した実験です。方法は、タブレットの画面に丸い図形が約90回ランダムに出現する画像を5分間見て、図形が出るたびにボタンを押す、といった簡単な作業を行ってもらうといったものです。誰でもできる簡単な作業だからこそ退屈で眠くなります。

結果は、前日に通常通りの睡眠をとっている医師たちは正確に図形に反応した。一方、夜勤明けの内科医は、図形が約90回出現するうち、3、4回数秒間図形に反応しなかったといった結果でした。反応しない間、なんと医師たちは眠っていたのです。

夜勤明けの医師達が陥ったこのような状態をマイクロスリープ(瞬間的居眠り)といい、この状態は脳波で確認されます。マイクロスリープは1秒足らずから10秒程度の眠りを指します。マイクロスリープの大きな問題は、ほんの数秒であるがゆえに、本人も周囲も気が付かない点にあります。睡眠負債はこの状態を引き起こします。運転中や仕事中なども知らず知らずのうちにマイクロスリープが起きているかもしれないのです。パフォーマンスが落ちるだけでなく、取り返しのつかないミスに繋がることが考えられます。だって、たった3~4秒足らずでも色々起こりますのもの。「睡眠負債」恐ろしい。

本書では、睡眠負債の他にも「睡眠時間と健康(寿命)の関係」「ショートスリーパー」、「睡眠とパフォーマンスの関係」、「週末の寝だめの効果」等についても興味深い新事実が記載されています。睡眠にはまだまだ未知の部分があるとのことです。

さて、眠りに関する新事実に触れた次は、睡眠の役割について書きます。

以下の5点が睡眠の役割として挙げられています。

・ 脳と体に「休息」を与える
・「記憶」を整理して定着させる
・「ホルモンバランス」を調整する
・「免疫力」上げて病気を遠ざける
・「脳の老廃物」をとる

これだけの役割が睡眠にはあります。

これらの役割をきっちりと果たしてくれれば、私たちのパフォーマンスは確実に上がると思います。しかし、逆に役割を果たせなかったら、「体」は疲れるし、「記憶」はできないし、「ホルモンバランス」が崩れてしまうし、「病気」になっちゃうし、「脳の老廃物」は溜まるし、といいことがありません。

スタンフォード大学睡眠研究所初代所長のウィリアム・C・デメント氏は、「睡眠は人生において『必要不可欠なもの』のひとつではある。しかし、もっと大事なのは、睡眠は『ギフト』であるということだ。」と言われていたとのことです。睡眠は強力な敵にも味方にもなりうるということです。どうせとらないといけない睡眠ならば強力な味方にしたいですね。

睡眠の役割、大切さが分かったところで、次の話へ

②何が最高の睡眠に必要なのか?

結論からいいますと最高の睡眠には

最初の90分間の睡眠の質を高める。

これが必要です。本書の肝となっています。

何故「最初の90分間の睡眠の質を高める事が必要」かというと

最初のノンレム睡眠が一番深い睡眠であり、睡眠の効果が最も発揮されるからです。


人の眠りの深さは一定ではなく、深い睡眠のノンレム睡眠と浅い睡眠のレム睡眠の繰り返し(睡眠周期)があることはもう皆知っていることと思います。1周期はおよそ90~120分です。ただ、覚醒向けてノンレム睡眠の深さが段々と浅くなっていく事はあまり認識されていないのではないでしょうか?

ブログ冒頭に貼った僕の睡眠記録をみてみますと最初のノンレム睡眠が一番深い睡眠になっていて、段々と眠りが浅くなっていることが分かるとおもいます。

繰り返しますが、この最初のノンレム睡眠が睡眠の質を決めてしまうのです。

なぜなら、

・眠りたい欲求の「睡眠圧」の放出は最初の睡眠周期がもっとも強い
・細胞の成長、新陳代謝促進、皮膚の柔軟性up、アンチエイジングの役割を果たす成長ホルモンの分泌は最初のノンレム睡眠時に多く分泌される(70~80%)

等のメリットが最初のノンレム睡眠にはあるからです。最初の睡眠周期の質を高めれば自ずと睡眠全体の質が高くなります。逆に、最初の睡眠周期の質が悪ければこれらのメリットが享受できません。

また、うつ病や統合失調症の患者は最初の90分の睡眠が乱れていることが分かっています。このことから最初のノンレム睡眠には、「脳のコンディションを整える働きがある」「脳のコンディションが最初
のノンレム睡眠に反映される」といった仮説も成り立つだろうと著者は言っています。

最高の睡眠には最初の90分間の睡眠の質を高めることが必要と分かったところで次の話へ

③具体的にはどうしたらよいのか?

どうすれば最初の睡眠の質を高めることができるのか?
「睡眠は始めが肝心」とはいえ、多くの人が寝つきの悪さに苦労していると思います。

まず、著者が言われているのは、

毎日同じ時間に就寝する

という方法を勧めています。なぜなら、この方法は人の日内リズム(サーカディアンリズム)に合っており、寝つきを良くして深く眠るのに効果的なアプローチだからです。

……

……そんなん無理やろ!って声が聞こえてきそうです。

そうです。アレもしたい、コレもしたいと忙しい現代人には無理です。安心してください。著者もそれが無理な人がいることが分かっており、別なアプローチを用意してくれいます。それは…

睡眠のスイッチである「体温」と「脳」を使う。

これが本書秘伝の技です。
(モチロン一番良いのはこの技も使いつつ、規則正しい生活を送ることですが)

本稿では、2つのスイッチのうち、実践しやすく、僕自身が効果を実感できた体温のスイッチの説明をしたいと思います。

まず、結論から言いますと、スムーズな入眠に必要な体温のスイッチは深部体温と皮膚温度の差を縮めること」です。ポイントは、他の睡眠本にあるような「深部体温を下げる」といった深部体温のみアプローチではなく、皮膚温度も関連しているところです。以下に詳細を書きます。

人間の体温は、睡眠時より覚醒時のほうが高くなっています。睡眠中は温度を下げて臓器や筋肉、脳を休ませ、覚醒時は温度を上げて活動を維持します。これは、あくまで体の内部の体温(深部体温)の話です。

体温は「筋肉や内臓による熱産生」と、「手足からの熱放散」によって調節されていいます。

深部体温は日中高くて夜間低いのですが、手足の温度(皮膚温度)はその逆で、昼に低くて夜間高くなります。

覚醒時は、通常深部体温のほうが皮膚温度より2℃ほど高くなっています。(皮膚温度34.5℃、深部体温36.5℃といった具合)入眠前は手足が温かくなり、皮膚温度が上がって熱を放散し、深部体温を下げています。このとき、皮膚温度と深部体温の差は2℃以下に縮まっています。

深部体温と皮膚温度の差が小さくなればなるほど、眠気は強くなる。これに関する研究結果が1999年に「Nature」で発表されています。赤ん坊が眠くてむずがっているとき、ほっぺが赤くなって手足は温くなっています。(皮膚温度を上げて熱放散している)大人もこれほど極端ではないですが、同様の変化が生じているとのことです。

このようにスムーズな入眠に必要なのは深部体温と皮膚温度の差が縮めることなのです。

以上が、体温のスイッチの説明です。皮膚温度を上げて、深部体温を下げる。この「上げて、下げる」というのが良質な睡眠に欠かせないのです。

では具体的にどうしたらよいのか??

本書ではいくつか方法を紹介してくれております。ここではその一つを紹介したいと思います。

それは

寝る90分前に入浴(40℃のお風呂に15分くらい入る)をすませること。

です。

…確かに入浴によって皮膚温度は上がり、「熱放散」が行われやすくなると思います。しかし、深部体温も上がってしまい。皮膚温度と深部体温の差が縮こまらないのでは?といった疑問が出てきそうです。
寝る前に入浴をすませること。が方法ならば、上記の疑問はその通りですが、ポイントは90分前にすませるとなっているところです。

実は、深部体温には上がった分だけ大きく下がろうとする性質があります。

なので、例えばが入浴をしないで寝た時と比べると、入浴をして寝た時の方が深部体温は下がります。

入浴に関する実験を著者は行っています。40℃のお風呂に15分入ると深部体温が0.5℃あがり、それが元に戻るまでの時間が90分だったとのことです。ですので、寝る90分前に入浴(40℃のお風呂に15分くらい入る)をすませると皮膚温度上昇による熱放散と深部体温の性質を利用してスムーズな入眠が得られると言えます。

さて、以上、本書からの学びを

①眠りに関する新事実と睡眠の役割
何が最高の睡眠に必要なのか?
③具体的にはどうしたらよいのか?


の3つに分けて紹介させて頂きました。

寝る90分前に15分も風呂に入ってられないよ。って方も安心してください。本書ではそんな忙しいアナタに向けた具体策をいくつか紹介してくれています。まだまだ、紹介できていない内容があります。気になる方は是非読んでみて欲しいと思います。

間違いなくアナタのパフォーマンスを上昇させ、健康的な毎日を送らせくれる一助になると思います。

ではまた次回。