【薬の勉強③】ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)

【薬の勉強③】ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)

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ロキソプロフェン

ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一つです。

かなり有名なお薬ですね。調剤しない日はないってくらいの頻度で処方される薬です。

さっそく、情報をまとめてみます。

【効能・効果】
3つあります。
①下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛 
②手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎 
③下記疾患の解熱・鎮痛
 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

その強さについて、添付文書には以下の記載があります。(一部抜粋)

〈鎮痛作用〉
・Randall-Selitto法(炎症足 加 圧 法: ラ ッ ト 経 口 )に よ る 試 験 に お い てED50値 が0.13mg/kgであり、対照のケトプロフェン、ナプロキセン、インドメタシンに比べ、10~20倍の強い鎮痛作用を示す。

・ラット熱炎症性疼痛法(ラット経口)においてID50値は、0.76mg/kgであり、ナプロキセンと同等、ケトプロフェン、インドメタシンの 3 ~ 5 倍以上の効力を示す。

・慢性関節炎疼痛法(ラット経口)においてED50値は0.53mg/kgと最も強い鎮痛作用を示し、インドメタシン、ケトプロフェン、ナプロキセンの4 ~ 6 倍の効力を示す。

〈抗炎症作用〉
・急・慢性炎症に対して、ケトプロフェン、ナプロキセンとほぼ同等の抗炎症作用を示す。

〈解熱作用〉
・ケトプロフェン、ナプロキセンとほぼ同等、インドメタシンの約 3 倍の解熱作用を示す。

まとめると、ロキソプロフェンナトリウムは鎮痛作用が強いってことですね。

臨床効果をみてみるとこんな感じでした。

( 8 疾患群を対象とした954例の二重盲検比較試験の結果)

関節リウマチでは他の疾患に比べ有効でない場合がやや多そうですが、概ね良い成績だと思われます。

【作用機序】
ロキソプロフェンを含むNSAIDsの作用機序は以下の通りです。

・シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで、プロスタグランジン類の合成を抑制する。
・プロスタグランジンE2(PGE2)は起炎物質・発痛増強物質。
→NSAIDsは主にPGE2の合成抑制によって鎮痛・解熱・抗炎症作用を発揮する。

ここでCOXについて簡単に書きますと

・COXはCOX-1、COX-2の2つのサブタイプがある。
・COX-1は血小板、消化管、腎臓などに発現しており、臓器の恒常性維持に必要。
・COX-2は炎症などで誘導され、炎症を促進するPGE2などを合成する。

つまり、COX-1は臓器にとって必要な酵素です。しかし、ロキソプロフェンはCOX-2だけでなく、COX-1も阻害するため、副作用発現が発現する可能性があります。

副作用について見てみると

【副作用】
添付文書には以下の記載があります。
「総 症 例13,486例 中 副 作 用 の 報 告 さ れ た も の は409例(3.03%)であった。その主なものは、消化器症状(胃部不快感、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等2.25%)、浮腫・むくみ(0.59%)、 発 疹・ 蕁 麻 疹 等(0.21%)、 眠 気(0.10%)等 が報告されている。」

約3%の副作用発現率です。ですので、まずまず安全と思われますが、実は僕、、、

アレルギー

0.21%の副作用が出たのでした。

約3%の副作用発現率ですが、油断大敵です。こんな発疹が全身に出て焦りました。まあ、抗アレルギー剤で何とかなったんですけどね。

この症状がでる前に何度かロキソプロフェンを使用したことがあって、その時は問題なかったのですが、ある日突然こうなっちゃったんです。以来、僕はNSAIDsが怖くて飲めません。というか禁忌です。泣

僕のような過敏症の方はもちろん禁忌ですが、他に
・消化性潰瘍のある患者
・重篤な血液の異常のある患者
・重篤な肝障害・腎障害・心不全のある患者
・アスピリン喘息またはその既往歴がある患者
・妊娠末期の婦人

以上の方にも禁忌ですので、ご注意を。

【相互作用】
絶対にだめ(禁忌)な飲み合わせはありませんが、特徴的な相互作用を一つ。

ニューキノロン系抗菌薬との相互作用です。

痙攣誘発作用の増強をすることがあるとの記載があります。その機序としては、

「ニューキノロン系抗菌剤は、中枢神経系の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体への結合を阻害し、痙攣誘発作用を起こす。本剤の併用によりその阻害作用を増強するためと考えられている。」

と記載されています。実際のところは、見かける処方の組み合わせです。(ex. クラビット&ロキソニン)感染症→発熱→解熱剤も処方って感じです。

恐らく、経験上の殆ど問題ないと考えますが、もともと、てんかんの既往がある方には注意が必要と思います。

【ロキソプロフェンまとめ】
・鎮痛作用が強い。
・副作用発現率は約3%。しかし、僕は過敏症。皆さんもご注意を。
・併用禁忌はないが、ニューキノロン系抗菌薬との相互作用等もある。

本日はここまでです。
さいごまで読んでくださりありがとうございました。

ではまた次回。