【薬の勉強①】セルベックス(テプレノン)
- 2018.06.30
- 薬の勉強

今まで僕のブログの題材として、主に読書や論文の内容を扱ってきたのですが、「普段何気なく接している薬剤のことって案外何もわかってないな(恥ずかしながら)」、「足元を見つめ直して、個々の薬剤について改めて勉強してみよう」と思いたちました。
読書や論文の内容も継続してブログで書いていきたいと思っていますが、今回から、薬剤の効果・副作用・使用上の注意などをまとめる、シリーズ「薬の勉強」も始めます。
題材とする薬剤はランダムでその時に気になったものとし、情報は添付文書からあつめたいと思います。(信頼できる情報だから。)
というわけで、記念すべき初回の薬剤はコチラ
セルベックス(テプレノン)について。
【効能又は効果】
2つあります。
①下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
②胃潰瘍
まあ、いわゆる胃薬ですね。汎用されやすい薬剤かなと思います。
【薬効薬理】
なんと8個もの薬効薬理が添付文書に記載されています。
①抗潰瘍作用
②胃粘液増加作用
③熱ショック蛋白(HSP)誘導による細胞保護作用
④胃粘膜プロスタグランジン増加作用
⑤胃粘膜血流増加並びに改善作用
⑥胃粘膜保護作用
⑦胃粘膜増殖帯細胞の恒常性維持作用
⑧脂質過酸化抑制作用
胃薬ってあんまり効かないんやろって雰囲気がありますが、、勉強してみると意外とすごいやつかもしれないです。臨床成績を見てみると、、
(臨床効果)
①急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められた。本剤の胃炎に対する全体的な有効率は68.6%(448/653)であった。
②胃潰瘍に対する本剤の有効率は81.0%(438/541)であった。また二重盲検比較試験において高齢者の潰瘍、大型潰瘍及び再発潰瘍などの潰瘍症例に対して、有用性が認められた。
舐めたらあかんレベルの改善率。笑
では副作用はどうか?
【副作用】
総症例10,914例中、52例(0.48%)の副作用が報告されている。(再審査終了時)
ほぼないですね。
重大な副作用には「肝機能障害・黄疸」(頻度不明)が挙げられていますが、その心配は殆んどないでしょう。効果は割とあって、安全な薬の印象。
【薬物動態】
用法が1日3回 食後 となっているのですが、食事の影響をみてみると、、
食後3時間のパラメータを見てみると、血中濃度が下がっています。
空腹時の使用で効果が弱くなるので、食後に服用するべきですね。
【テプレノンまとめ】
・効果は割とよくて、安全な薬。
・食後に服用した方が良い。
今回はこんな感じで終わります。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ではまた次回。
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